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公開質問状 その二

 

関係各位                          

平成22年8月03日

 

 

              公開質問状(その二)

 

 

                                弁護士 南出喜久治

 

 

子宮頚がん予防ワクチンと呼称されている「サーバリックス」の危険性とその公費助成についての問題点について、平成22年7月23日付けで「公開質問状(その一)」を公開したが、匿名や偽名、住所不明(住所不定)や電話番号不明の人物による「便所の落書き」のような質問や批判などを除き、その後において実名による関係団体や個人からは、公開質問状(その一)に対する個別的に対応した回答も反論もなかった。
 GSKは、そのHP(http://allwomen.jp/faq/index.html#q27)で、「よくある質問&回答」に新たなQ&Aを追加したが、単に結論を述べるだけで、その具体的な根拠を全く示していない。

私は、この問題に「日本の子供の未来を・守る会」(以下「守る会」という。)の顧問として取り組むこととなり、その後も独自に警鐘を鳴らすために、「公開質問状(その一)」と同時に発表した拙稿『子宮頚がん予防ワクチンの危険性』により、その問題点を指摘してきたので、この議論をする場合には、まずは拙稿に目を通していただきたい。
 守る会は、平成22年6月24日付け「危険ワクチン・ストップ宣言」において、「完全永久不妊症」の危険性を訴えたが、その危険性は、この公開質問状(その一)に対する明確な回答がないことからして、ますますその疑念が深まっている。守る会は、子供に対する緊急の危険があることを知らせるために、その中で「完全永久不妊症となるのです。」としたが、それは文章全体の脈絡からして、その危険性を強く訴えていたのである。正確に言えば、私は「完全永久不妊症となる危険があるのです。」という意味に理解しており、厳密に言えば、「完全永久不妊症にならないとの科学的証明がなされていない。」ということになる。このような表現は、修辞的な近似表現として許容される範囲の論評であると判断している。私も、その後の平成22年6月26日に発表した「危険ワクチン・ストップ作戦」において完全永久不妊症の危険性という言葉で表現しているのである。

ともあれ、この危険性について言えば、平成21年9月29日の英国・国際ニュースAFPBBNews「子宮頸がんワクチン接種後の少女が死亡、英国」の記事に関する公開質問状(その一)の質問事項7ないし9の質問に対する回答が全くないことからすると、「完全永久不妊症」どころか、「完全永久失命症」、つまり「死亡」の危険があるということになる。死の危険は不妊の危険を上回る。究極の不妊である。

多くの人は、何らかの疾患を抱えている。サーバリックスを接種して死亡した少女の「重大な基礎疾患」というのが何であったのかも明らかにせず、単に因果関係がないなどという結論に誰も納得はしない。どの種類・程度の基礎疾患があれば死に至るのかについて真摯な態度で具体的に答えなければ誰も信じないであろう。
 拙稿でも触れたが、サーバリックスの最後の接種から3か月以内の流産のリスク比較において「14.7%(接種群)vs 9.1%(非接種群)」という報告は、接種と流産との因果関係が証明されたことになり、ひいては、流産を含む不妊の原因になることを容易に推認させる事実である。ましてや、死亡した少女のように、何らかの疾患を持つ女性であれば、流産は勿論のこと、不妊、そして死亡への危険も予測されることになる。

このような国民の生命や健康にとって重大な問題提起として、サーバリックスに不妊作用があるのではないかとの危惧に対して、何の根拠も示さずに、単に「デマ」だとか、「歪曲」などと決めつけることは、学問的良心のカケラすらない態度であると言えよう。

科学的証明とは再現可能性によって担保されるものである。しかし、臨床試験というのは、匿名性やプライバシー保護の観点と、健康状態に個別性があることなどから、再現可能性が担保できない場合も多い。そのため、不妊となる「証拠がない」とか「報告がない」などという主張は、正確に言えば、不妊化の有無についての臨床試験を回数と年数、人数において充分に行っていないことを意味するだけである。それは、臨床試験の不足と怠慢を逆手に取って自己に有利に導く詐術以外のなにものでもない。
それゆえ、もう一度、関係者は冷静になって、せめて科学的知見に依拠して再検討する必要があり、拙稿と公開質問状の質問事項と真摯に向き合ってもらう必要があると考える。

このような前提に立って、公開質問状(その一)の質問事項1ないし16について、改めてその回答を求めると同時に、さらに、次の質問事項(17ないし21)を追加するので、さらにこれについても回答を求めるものである。


(質問事項)

17 拙稿『子宮頚がん予防ワクチンの危険性』の【ワクチン医療の限界性と危険性】では、次のとおり述べた。

サーバリックスに含まれているアジュバントが、女性の免疫に影響を与え、流産のリスクにつながるかどうかについての調査(14か国、15歳から25歳までの26000人規模)の結果において、全体としての流産のリスク比較が「11.5%(接種群)vs10.2%(非接種群)」であり、さらに、最後の接種から3か月以内の流産のリスク比較では「14.7%(接種群)vs 9.1%(非接種群)とする平成22年3月2日付け「Risk of miscarriage with bivalent vaccine against human papillomavirus (HPV) types 16 and 18: pooled analysis of two randomised controlled trials」という調査報告が存在するからである(注24)
ただし、その「conclusion」(結論)の部分に、「There is no evidence overall for an association between HPV vaccination and risk of miscarriage.」、つまり、「これらは流産とサーバリックスとの全体的なエビデンス(証拠)ではない」とする趣旨が述べられているが、接種群と非接種群との比較において、接種群の流産比率が高いことは数値上は明らかであるので、未だ不妊化(流産)の危険性が払拭されて安全性が証明されたとは到底言えない。
つまり、「11.5%(接種群)vs10.2%(非接種群)」の比較は、臨床試験の規模(26000人)からして、決して誤差の範囲内のものであると評価される差異ではない。非接種群の12.7%増というのは大きい数値なのである。ましてや、最後の接種から3か月以内の流産のリスク比較において「14.7%(接種群)vs 9.1%(非接種群)」というのは、なんと61.5%増なのである。にもかかわらず、これが不妊危険のエビデンスではないとする結論には全く説得力がなく、納得できるものではない。

このことを前提として、次の質問をしたい。すなわち、上記GSKの「よくある質問&回答」(Q&A)の「Q32」に、「.HPVワクチンを接種すると、流産の危険性は増加しませんか?」とあり、その回答として、「HPVワクチンの接種によって流産の危険性が増加するとの報告はありません。また、HPVワクチンには、流産を促進させるような物質は含まれておりません。」とある。これは、前掲の「conclusion」(結論)を根拠とするものと思われるが、それでは上記疑問に答えたことにならない。それゆえ、再度明確にQ&Aにおいて回答されることを求める。


18 また、GSKのQ&Aの「Q33」に、「HPVワクチンに含まれている水酸化アルミニウムによって、脳機能が破壊される危険性はありませんか?」とあり、その回答として、「一説には、食品などに含まれるアルミニウムによって、脳細胞機能が破壊され、アルツハイマー病を発症するのではないかとの懸念がありますが、アルミニウムを含有する医薬品から摂取する量では、問題はないと考えられています。」としている。
 しかし、これについても前掲拙稿の【アジュバントの危険性とGSKの隠蔽体質】の項で述べたとおり、これでは、アルミニウムの体内蓄積の危険について回答したことにはならない。それゆえ、「問題はないと考えられています。」とする具体的な根拠について明らかにされたい。


19 さらに、GSKのQ&Aの「Q34」に、「HPVワクチンに含まれているアジュバントは油性アジュバントですか?また、このアジュバントでがんになることはありますか?」とあり、その回答として、「HPVワクチンに含まれているアジュバントは、油性アジュバント(オイルアジュバント)ではありません。また、このアジュバントには、発がん性は認められていません。」としている。
 しかし、これについても前掲拙稿の【アジュバントの危険性とGSKの隠蔽体質】の項で述べたとおり、サーバリックスに関係する3つの特許のうち、「アジュバント組成物」と「水中油型エマルジョンアジュバントを含むワクチン」には、不妊効果のあるスクワレン(スクアレン)やポリソルベート80(tween 80)が含まれていることからして、この特許技術を使用していないワクチンということなのか。
もし、そうであるならば、一体どのようなアジュバントとその特許技術が用いられたものなのか、その詳細を具体的に示されたい。


20 また、「新規組成物」の特許は用いられていないのか。もし、用いられているとすれば、その技術は、「ワクチン組成物は、3D-MPLおよびQS21のようなTH1細胞応答の優先刺激剤であるアジュバントを用いて処方される。」というものであるから、前掲拙稿の【アジュバントの危険性とGSKの隠蔽体質】の項で指摘したとおり、「TH1細胞応答の優先刺激剤」というのは、ギラン・バレー症候群や湾岸戦争症候群と同様の自己免疫疾患を引き起こす危険がありうるのではないか。


21 前掲拙稿の【アジュバントの危険性とGSKの隠蔽体質】の項において、次のとおり述べた。

サーバリックスの説明書(注9)によると、「有効成分」として「ヒトパピローマウイルス16型L1たん白質ウイルス様粒子 20μg」、「ヒトパピローマウイルス18型L1たん白質ウイルス様粒子 20μg」とあり、「添加物」として、「3-脱アシル化-4′-モノホスホリルリピッドA 50μg」、「水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500μg」、「塩化ナトリウム(等張化剤)」、「リン酸二水素ナトリウム(緩衝剤)」、「pH調節剤」とあり、添加物の表示にはスクワレン(スクアレン)の記載がない。
 しかし、サーバリックスに添加されているアジュバント(AS04複合体)に関する主な特許は3つあり、その一つに、発明の名称が「アジュバント組成物」というものがある。その特許申請書類によると、【技術分野】の説明として、「本発明は、新規ワクチン処方、それらの製造方法および医薬におけるそれらの使用に関する。詳細には、本発明は、水中油エマルジョンに関する。かかるエマルジョンはトコフェロール、スクアレン、ツイン80(Tween80)、スパン85(Span85)およびレシチンからなり、有用なアジュバント特性を有する。かかる水中油エマルジョンと一緒になったQS21、キラジャ・サポナリア・モリナ(Quillaja Saponaria Molina)の樹皮由来のHplc精製された無毒のフラクション、および/または3デ-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3De-O-acylated monophosphoryl lipid A)(3D-MPL)を含有するワクチンも本発明の一部である。」とし、また、【発明を実施するための最良の形態】の説明の中でも、「したがって、本発明の1の好ましい具体例において、3デ-O-アシル化モノホスホリルリピドA、QS21および水中油エマルジョンと組み合わされた抗原よりなるワクチンまたは医薬処方であって、水中油エマルジョンがスクアレンのごとき代謝可能な油、アルファトコフェロールおよびツイン80を含むものであるワクチンまたは医薬処方が提供される。かかる処方は広範囲の1価または多価ワクチンに適する。さらに、水中油エマルジョンはスパン85を含有していてもよい。3デ-O-アシル化モノホスホリルリピドAの好ましい形態は、第92116556号として公開された国際特許出願(スミスクライン・ビーチャム・バイオロジカルズ・s.a.(SmithKline Beecham Biologicals s.a.))に開示されている。」とし、水中油エマルジョン(oil -in-water emulsions)がスクアレン(スクワレン)を含むとしている。なお、「3デ-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3De-O-acylated monophosphoryl lipid A)(3D-MPL)」というのは、サーバリックスの説明書の添加物として表記されている「3-脱アシル化-4′-モノホスホリルリピッドA」のことである。

このことを前提として、質問事項19及び20と関連して以下のとおり質問する。
GSKは、サーバリックスのアジュバントについて「AS04複合体」とか、「3D-MPL」とかの記述説明をしているが、これらの具体的内容について説明されたい。

 



全文PDF版 220723子宮頚がん予防ワクチンの危険性(全文PDF版)

全文PDF版 220723公開質問状 その一(全文PDF版)

全文PDF版 220803公開質問状 その二(全文PDF版)



 

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